2025/07/18 21:12
~あいらりん音浴CD【還エル】【全キ雫】セルフライナーノーツ4~
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録音技師の紹介
ここでは、本作品の制作におけるマスターピースのひとり、
すばらしい腕前とお人柄であいらりんの収録を担当してくれた録音技師、
吉田明宏氏についてご紹介いたします。

『録音技師』というと、やはり裏方ゆえあまりご存じない方もいるかもしれませんが、
実に実に奥深い『録音道』。
”いま、ここ”をごく繊細に奏でるあいらりんの演奏を、
その空気感やエネルギーまで瑞々しく余すところなく、マイクで捉えて収録するには、、、、
やはり実力もさることながら、
その音に宿った微細なエネルギーまでをも
しっかりと感受し尊重してくれる、
そんなレコーディングエンジニアがマスターピースとなるのです。
で、吉田明宏氏。
なんとあの世界的ピアニスト、フジコヘミング女史の収録なども担当する、まさに確かな技術に繊細な音楽性も兼ね備えた、
本格派の録音技師なのです。
実は、吉田氏とりん小屋は旧知の仲。
私が過去に音楽制作業を営んでいた時代、
なんとハタチそこそこくらいの頃から沢山現場を共にした、
いわば戦友の様な大切な仕事仲間だったのです。
そして今回、
本作品の収録にあたって久方ぶりに連絡してみたところ、
ふたつ返事でご快諾。
私の収録において、吉田氏は永遠のファーストコールなのです。
大信頼。有難い。
吉田氏の耳や実力はもちろんのこと、
そんな関係性に支えられたレコーディングは
終始和やかでありながらもクリエイティブに誠実な、実に幸福な時間であったことが思い出されます。
そんなレコーディングの風景は、
さりなさんがインスタグラムにてレポートしてくれてます。
収録の空気感まで伝わるような、とっても素敵なレポートです。
※その①
https://www.instagram.com/p/DGFx3qgJEfz/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=ZWE2eHZ6amZuNTY1
※その②
https://www.instagram.com/p/DGLMHeUJChA/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MWw4eGppcWppdjF1dQ==
是非あわせてお読みいただけたら嬉しいです。
(おりん処葛巻 りん小屋 点)
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装丁画家紹介
【還エル】装丁 原田暁一氏

■プロフィール
原田暁一(はらだあきかず)
1986年愛知県豊橋市生まれ。
名古屋を中心に活動。
幼少期より絵に携わり、書道アーティスト、グラフィックデザイナーを経て、ある日、龍のインスピレーションを受けたことをきっかけに「龍画師」として独立。
伝統技法「一筆龍」を主軸に、現代アートの要素を取り入れ独自に進化。
日本神話や自然観に根ざした精神性を龍に宿し“新生日本の龍”を描く。
活動開始からわずか1年で100点以上の受注制作、個展開催、神社仏閣への奉納、パフォーマンス、TV出演、講演、フランス/パリでの展示など、国内外で異例の飛躍をとげる新進気鋭のアーティスト。
■作品について
初めてこの音に触れた時「元の自分に還っていく」ような感覚を受け、今回の作品が生まれました。
素敵な音色に加え、視覚イメージとしても、自由に味わい、感じていただけたらと思います。
原田暁一氏 Instagram
https://www.instagram.com/akikazu.harada?igsh=aWtveXVlajlpb3V6
(原田暁一氏からの寄稿)
〇原田暁一氏 こと あっきー について
私があっきーとはじめて出会ったのは、昨年2024年の11月のことです。
友人から、名古屋の龍画師から絵を描いてもらい、青森まで絵を届けに来るので、ご案内するのを手伝って欲しい、と頼まれたご縁からでした。
友人と一緒に、青森市や私の住んでいる弘前市の案内の準備をしながら、「龍画師」の先生、なんてどんな方が来るのかな?と思っていたのですが、実際にお会いしてみるととても軽やかな、自然な笑顔が素敵で、茶目っ気たっぷりの青年でした。
その後、あいらりんが2枚CDを制作する話となったとき、ジャケットについて、1枚は地元でお世話になっているゆうき先生。そしてもう1枚は?と考えたときに、あっきーしか思い浮かばなかったのです。
あっきーにジャケットのことをお願いしてみると、快諾していただき、
そして、あいらりんの生の演奏を聴きたいと、東京浅草吉原音浴会の際には名古屋から来てくださって、あいらりんの音を浴びてくださったのです。
その際の
「癒しを超えて、なにか”還る”ような・・・」
というご感想が、今回のアルバムのタイトルにもなり、
翌日の録音の、イメージの着想にもなり、すっかりあいらりんとはご縁が深くなりました。
描き下ろしていただいたジャケットの龍も、データで見たのですが、鳥肌がたちました。
まさしく【還エル】にピッタリの装丁画。
深い漆黒の宇宙で、原初に立ち返る。
あっきーに会うことができて、良かった。
と心からそう思いました。
大切なジャケットの装丁を任せることができる方に出会えて良かった、と。
ご縁に感謝するのみです。
本当にありがとうございました。
(やまざき さりな)
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【全キ雫】装丁 福島悠生氏

■プロフィール
画家 福島悠生(ふくしまゆうき)
手指で絵を描く。
心が赴くままに、水が赴くままに抽象画を描くことから始まり、描く先に龍が現れるようになる。
たまに筆も使ったりする。
いつもはキャンバスにアクリル絵の具で描くが、和紙に描くのも好き。
■CDアートについて
このCDの音を聴いたままに湧いてきたイメージをそのまま描いてみました。
静けさのままに重力から解放され、そこに音が滴り波紋を広げ、音が昇華されていく。そんな感覚です。
そんな世界を表現したく、和紙にアクリル絵の具で描かせていただきました。
背景は指で、モチーフは筆で描いています。
福島悠生(福島悠起)氏 Instagram
https://www.instagram.com/fukushima.yuuki?igsh=MWJhamx6NzcydDFhNQ==
(福島悠生氏からの寄稿)
〇福島悠生氏 こと ゆうき先生 について
ゆうき先生とはじめて出会ったのは、10年くらい前に、私が一人で個展を見に行った時です。
壁一面に龍の絵が描かれていて、その中で着流しで優雅にすっと立っていた姿が印象に残っています。
たまたま、会場には私一人しかいなくて、少しお話をしました。
とっても優しい柔和な話し方をするんだなあと、思いました。
何を話したかは、すっかり忘れたけれど、なんだか不思議な感覚だけが残ったことを覚えています。
それから数年、あらためて再会したときは、友人たちの「絵画」や「木工」の先生でした。
以前、個展で感じたときよりも、「人間っぽくなったなあ」と正直思いました(笑)
私も「木工」を少し教えてもらったり、一緒の畑作業をしたり、食事をする機会があったり、と、ご縁が深くなっているように感じます。
今回あいらりんのCDの話がでたときに、ジャケットは「ゆうき先生の絵で」と、まず思ったのです。
絵が描きあがってくるまで、私はてっきり「龍」の絵かと思い込んでいました。
私と点さんがいるところに、嬉しそうに描きあがった絵を持ってきてくださったのです。
水の中に咲く、蓮の花。
水色の宇宙のような絵は、正直私の意表をついていました。
その絵を眺めながら、【全キ雫】の音源を聴くと、それまでの響きとは全く異なるような、
さらに深い世界に入っていくような気分がしました。
音楽という聴覚からの刺激に、視覚の刺激が加わることで、
感覚の世界がさらに深く拓かれていくのだと知りました。
ゆうき先生の感覚の繊細さ、表現のとらわれの無さ、自由を、あらためて感じた次第です。
どうぞ、皆さんもジャケットの絵を眺めながら、あいらりんの音楽を聴いてみてくださいね。
(やまざき さりな)
